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GAPSダイエット:科学に基づいたレビューまとめ

GAPSダイエットはストイックなダイエット法で以下のものを抜いた食事をします:

・穀物

・低温殺菌乳製品

・でんぷん質の野菜

・精製炭水化物

自閉症など脳への影響がある症状を抱えた人のための自然治療として勧められてきました。しかしながら、物議を醸したセラピーでもあり、医師、科学者、栄養士からその厳しい食生活が批判されています。

そういったGAPSダイエット法を解説し、健康に良いと言われる理由が本当に裏付けされているか確かめたいと思います。

 

GAPSダイエットとは?誰のために作られた?

GAPSGut and Psychology Syndrome (腸と心の症候群)の略です。GAPSダイエット提唱者であるナターシャ キャンベル=マックブライド医師によってその名前が付けられました。彼女はリーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)が脳への影響を及ぼすと唱えました。リーキーガット症候群とは腸壁の浸透性を高めてしまう症状のことを言います。GAPSというのは、そんな状態の腸が食品や内部の化学物質やバクテリアを漏らしてしまい、通常では起こりませんが、血液に入り込んでしまうというものです。このような外部の物質が血液に混ざりこむことで脳の機能と成長が影響され、物忘れや自閉症といった症状を引き起こすと言われます。GAPSダイエットは腸を改善し血液に毒素が入らないようにするため、そしてからだをデトックスさせるために編み出されました。しかしながら、どうリーキーガット症候群がどのように脳の病気と関係するかははっきりと解明されていません。

キャンベル=マックブライド医師はGAPSダイエットにより娘の自閉症が治ったと主張しています。彼女は現在以下のような精神・神経疾患を自然治療する効果があると勧めています:

・自閉症

ADDADHD

・統合運動障害

・失読症

・うつ病

・統合失調症

・トゥレット症候群

・双極性障害

・強迫性障害

・摂食障害

・痛風

・子供のおもらし

このダイエット法は子供たちのため、特に自閉症など主流医学がはっきり解明していない病状を抱える場合のためにあります。GAPSダイエット法はまた食物不耐性やアレルギーのある子供たちに有効だと主張されています。

GAPSダイエットは長期的なプロセスでもあります。キャンベル=マックブライド医師が指定した、リーキーガット症候群を引き起こさせる可能性のある食品をすべて控える必要があります。穀物、低温殺菌乳製品、でんぷん質の野菜や精製炭水化物などが含まれます。

GAPSダイエット手順には3つの手順があります:

GAPS導入ダイエット期間

・完全なGAPSダイエット喫管

GAPSダイエットをやめ、少しずつまた普通の食事に戻す期間

 

まとめ:GAPSGut and Psychology Syndrome (腸と心の症候群)の略であり、食事制限することで自閉症や多動性障害など脳の機能に関わる症状を改善させると提唱されてい

 

導入ダイエット期間:制限

導入期は、あらゆる食品を控えることになるのでこのダイエット法の中で最も厳しい期間です。「腸を癒す期間」とされ、症状によって3週間から1年までかかります。

導入期間は6ステージに分けることができます:

・ステージ1:自家製骨のだし汁、プロバイオティクス食品や生姜からの汁をたべ、食事の間にはちみつ入りのミントかカモミールティーを飲む。乳製品を食べられる人は低温殺菌されていない自家製のヨーグルトやケフィアを食べることもできる。

・ステージ2:生のオーガニック卵の卵黄や、野菜・肉・魚などでつくられたギーやシチューを食生活に加える。

・ステージ3:アボカド、発酵した野菜、GAPS専用のパンケーキ、ギーやカモ・七面鳥の油でつくられたスクランブルエッグを導入する。

・ステージ4:グリルまたはオーブンで調理された肉、冷間圧縮されたオリーブオイル、野菜ジュースとGAPS専用のパンを導入する。

・ステージ5:調理されたアップルソース、レタスや皮の剥いたきゅうりなどの生野菜、フルーツジュース、そして柑橘系以外の少量の生果物を導入する。

・ステージ6:最後に、柑橘系を含めた生果物を導入する。

 

導入期間では、限られた食事から始めて次第に増やしていくといったゆっくりな食品の導入方法が行われる必要があります。導入された食品に耐えることができたなら次のステージに進むというやり方が推奨されています。通常に腸が機能しているときにはじめて食品に耐えることができたと判断されます。

一度この食事法を完了したら、次はGAPS ダイエット期間に進むことができます。

 

まとめ:導入期間は大幅に食事が制限される。1年以上続けることもあり、でんぷん質の炭水化物を食事からすべて取り除かれる。代わりに、だし汁、シチュー、そしてプロバイオティクス食品を食べることになる。

 

継続期間:完全なGAPSダイエット

完全なGAPSダイエットは1.5-2年かかります。この期間に、以下の食品を主に食事に取り込むことになります:

・新鮮な肉、なるべくホルモン無添加で牧草飼育されたもの

・ラード、獣脂、羊・カモの脂、生バターやギーなどの動物性脂肪

・魚

・貝類

・オーガニック卵

・ケフィア、自家製ヨーグルトやザウアークラウトなどの発酵食品

・野菜

また、少量のナッツやGAPS用のナッツ粉を使ったパン・焼き菓子も含まれます。

完全なGAPSダイエットの注意事項は以下の通りです:

・肉と果物を一緒に食べない。

・オーガニック食品をなるべく使用する。

・毎回の食事で動物性脂質、ココナッツオイル、冷間圧縮されたオリーブオイルのいづれかを口にする。

・骨のだし汁を毎回飲む。

・食べれるのであれば発酵食品を多く食べる。

・缶・包装食品は避ける。

この期間中はなるべく精製炭水化物、保存料や着色料を避けるべきです。

 

まとめ:完全なGAPSダイエットは継続期間とされ、1.5-2年も続く。動物性脂質、肉、魚、卵と野菜が中心となる。また、プロバイオティクス食品もダイエットに含まれ

 

再導入期間:GAPSダイエットから戻る

GAPSダイエットを忠実に守るのであれば、1.5-2年で他の食べ物を再導入できます。最低6ヶ月間、消化や腸の活動に異常が見られない場合に再導入期間が始まります。数か月の間に少しずつ他の食べ物を再導入させるので、他のステージと同じく長いプロセスです。それぞれの食品を小さい量で食べていくことが勧められています。2-3日消化に問題がなければ、量を増やすことができますが、どのような食品を再び食べるかは決められていません。しかしながら、新ジャガイモや発酵されたグルテンフリーの穀物か始めることがおすすめされています。GAPSダイエットを終えても、加工食品や精製された糖分の高い食品を避け、自然食品を基本とした食生活を心がけましょう。

 

まとめ:再導入期はGAPSダイエットに含まれてない食品を再び食べる期間。精製炭水化物の多い食事はなるべく避ける。

 

GAPS サプリメント

このダイエット法の提唱者はGAPSの手順にダイエットは欠かせないと述べました。

しかしながら、様々なサプリメントも必要となってきます。

これらは:

・プロバイオティクス

・必須脂肪酸

・消化酵素

・肝油

となります。

プロバイオティクス

ロバイオティクスサプリメントは腸の善玉菌のバランスを保つために使われています。 乳酸杆菌 ビフィドバクテリア、枯草菌などの様々な善玉菌を含むプロバイオティクスサプリメントを選ぶことが推奨されています。プロバイオティクスをゆっくり導入する際、最低でも1グラムに対して80億の細菌性細胞を含む製品を選ぶようにしましょう。

必須脂肪酸と肝油

GAPSダイエットを行う人は魚油や肝油のサプリメントを毎日摂取することをお勧めされています。また冷間圧縮されたナッツや種油など、2:1比率でオメガ3とオメガ6 脂肪酸が含まれたものを使用するようにしましょう。

消化酵素

キャンベル=マックブライド医師はGAPSを抱えた人は胃液の分泌が低下していると話します。これを補うためには、塩化ベイタンと追加されたペプシンのサプリメントを食事の度に服用するべきだとされています。このサプリメントは胃の主な酸である塩酸から作られています。ペプシンは同じく胃でつくられた酵素で、タンパク質を分解し吸収する役割を担います。消化を助けるために追加の消化酵素が必要な人がいるかもしれません。

 

まとめ:GAPSダイエットはプロバイオティクス、必須脂肪酸、肝油そして消化酵素を摂ることを勧められている。

 

GAPSダイエットは効果的なのか?

GAPSダイエットは食事制限とサプリメントで成り立っています

食事制限

未だにGAPSダイエットが自閉症に関連した症状や行動にどう影響するかの研究は行われていません。これにより、この手段が自閉症の人をどう助けるのか、本当に効果的なのか確かめることができません。ケトジェニック、グルテンフリー、カゼインフリーダイエットなどの食事法と自閉症の関係を調べる研究で、それらの食事法は自閉症の症状を改善させる可能性があると示唆されました。しかしながら、研究の規模は小さく、途中でやめてしまうことも多いので、これらのダイエット法がどう働くのか、どのような人を助けるのかはまだ解明されていません。また、GAPSダイエットは自閉症以外の病気を改善させるという主張は未だ裏付けられていません。

サプリメント

GAPSダイエットは腸の善玉菌を補うためにプロバイオティクスを摂取することをお勧めしています。プロバイオティクスの腸への効果についての研究は見込みのあるものです。ひとつの実験で定型発達の子供たちと比べ、自閉症の子供たちはおおきく違った腸の微生物相があり、プロバイオティクスサプリメントは有効だと示しました。他の研究ではある種のプロバイオティクスは重い自閉症の症状を和らぐという結果が出ました。

GAPSダイエットはまた必須脂肪酸や消化酵素のサプリメントを摂ることをお勧めしています。しかしながら、必須脂肪酸のサプリメントは自閉症に効果的はいまだ確認されていません。同じく、消化酵素もはっきりとしない結果となりました。

全体的に、サプリメントを摂ることで自閉症の行動を和らげたり、栄養状態を改善させるか明確ではありません。質の高い研究が行われる必要があるでしょう。

 

まとめ:GPASの方法が自閉症や他の病状にどのような効果があるかは化学的に証明されていない。

 

GAPSダイエットはリスクがあるのか?

GAPSダイエットは長い間栄養価の高い食品を避けるという厳し手順で行われます。必要な栄養を続けて摂るための指導はほとんどありません。そのため、一番のリスクは栄養不足と言えるでしょう。急速に成長するときに多くの栄養が必要なので、子供においては深刻な問題となりえます。また、自閉症の子供たちは新しい食品を食べたり、食事の変化を受け入れられないこともあるので、元から食事が制限されている場合もあります。大量の骨のだし汁は、多い量だと危険な鉛の摂取量を増加させてしまう可能性があると指摘されました。しかしながら、GAPSダイエットの鉛中毒に陥る可能性の裏付けはなく、明確ではありません。

 

まとめ:GAPSダイエットは厳しい食事制限を要する方法で、栄養不足を引き起こす可能性がある。

 

リーキーガット症候群は自閉症を引き起こすのか?

GAPSダイエットを試す人はほとんど自閉症を抱える子供を治療法を見つけようとする親です。その理由は、提唱者が自閉症の原因はリーキーガット症候群で、GAPSダイエットによって症状が改善されると発表したからです。自閉症は脳機能を影響し、その人がどうな世界を経験するか変えてしまう症状です。症状は様々ですが、一般的に自閉症の人はコミュニケーションや他人との交流をむずかしく感じます。とても複雑な疾患で、遺伝子や外部の要因が折り重なった結果発症してしまうのが特徴です。

面白いことに、自閉症を患う70%の人は弱い消化器官をもっていて、便秘、下痢、腹痛、胸やけそして嘔吐につながると研究結果はいいます。消化不全を治療しない自閉症の人はよくいらだち、かんしゃく、攻撃的な態度、睡眠障害といったもっと深刻な症状を見せます。いくつかの研究は、自閉症の子供たちは腸透過性が増していることを示しました。しかしながら、結果はまとまらず、他の研究では腸透過性と自閉症の関連が見つからないものもあります。今のところリーキーガット症候群が自閉症の前に起こると証明した研究はありません。リーキーガット症候群が自閉症に関与していた場合でも、本当に自閉症の原因なのかは解明されていません。

全体的にリーキーガット症候群が自閉症を引き起こすという主張は議論の余地があるのです。複雑な症状の原因を簡略化しすぎていると考える化学者もいます。まだまだ研究が必要だということです。

 

まとめ:リーキーガット症候群は自閉症の人に見られる時もある。しかし、その関連性についてはもっと研究が必要だ。

 

結論

証明はされていませんが、GAPSダイエットが効果的だと考える人がいます。しかしながら、厳しい食事制限を長く行うので継続しずらい点があります。未発達なからだを持つ若い人には危険になりえます。たくさんの専門家たちは化学的に裏付けされてないとGAPSダイエットを批判します。試したい人がいれば、栄養を十分とれているか確かめられるよに医療機関に相談すると良いでしょう。

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