
オメガ3脂肪酸は健康の維持には欠かせない栄養素です。
オメガ3を摂取する上で最適なのは、脂肪分が豊富な魚を食べることだと言われています。
魚を習慣的に食べない方は、サプリから摂取するのがおすすめです。
ただし一口にオメガ3と言っても、様々なサプリメントが存在し、それぞれ効果も異なってきます。
そこで当記事では、オメガ3サプリメントについて、知っておくべきことをいくつか紹介したいと思います。
オメガ3の種類について
フィッシュオイルには、天然のものと加工されたものとが存在し、こうした加工処理の有無は、栄養素の吸収率の差異として表れることがあります。
・魚類――遊離脂肪酸、リン脂質、トリグリセリドが含まれる。
・魚油――従来のものには、トリグリセリドが含まれる。
・精製魚油――精製された魚油では、トリグリセリドをエチルエステルへと変換し、脂肪中のDHA・EPA濃度を調整する役割で用いられる。
・再合成されたトリグリセリド――エチルエステルはトリグリセリドへ再加工することが可能で、ここで再合成されたものを、「Reformed Triglycerides」と呼ぶ。
これら全てに健康上の利点があるとされる一方、エチルエステルからのオメガ3吸収率は低いことを指摘する者や、それを否定するものまで、数多くの研究が存在します。
まとめ
オメガ3にはいくつかの種類が存在し、最も一般的なのがトリグリセリドとされる。また加工処理が施された魚油には、エチルエステルが含まれており、オメガ3の吸収を妨げる可能性があることが指摘されている。
天然魚油
天然魚油はトリグリセリドを主成分に作られた物で、食品から摂取するのと大差ないとされます。
この天然魚油には、重要な栄養素がいくつか存在します。
EPAとDHA含むオメガ3の含有量が18-31%を占め、これは使用される魚によって異なるとされます。
また天然魚油にはオメガ3だけでなく、ビタミンAやビタミンDが豊富なことでも知られます。
こうした製品によく用いられるのは、鮭やイワシ、ニシン、メンハーデン、タラの肝臓(肝油)などで、カプセルから液体状のものまで、さまざまなバリエーションが存在します。
まとめ
天然魚油にはDHA・EPA含むオメガ3脂肪酸や、ビタミンA、ビタミンDが豊富である。
精製魚油
精製魚油とは濃縮加工が行われたもので、エチルエステルまたはトリグリセリドによって構成されます。
精製によって、水銀やポリ塩化ビフェニルなど、汚染物質を取り除くことができます。また濃縮を行うことでDHAやEPA濃度を50–90%まで高めることができるとされます。
こうして作られた精製魚油は、カプセル状で飲みやすく、安価なことから、多くの人々に愛飲されています。
ただしエチルエステルが含まれている場合、体内への吸収を阻害するほか、トリグリセリドに比べ、酸化や酸敗が起こりやすいことが指摘されています。
こうした報告を受けて、一部のメーカーでは、エチルエステルをトリグリセリドへと再合成することで、サプリの吸収効率を改善する取り組みが行われています。
ただしトリグリセリドの再合成は、コスト面での負担が大きく、販売価格の上昇に繋がるため、市場に占める割合は大きくありません。
まとめ
精製魚油は加工や濃縮が行われた製品で、エチルエステルを含むことから、酸化を起こしやすく、栄養の吸収効率が低いとされます。こうした現象を防ぐには、トリグリセリドの再合成を行う必要があります。
クリルオイル
クリルオイルとは、ナンキョクオキアミという海老に似た生物から抽出したオイルのことです。このクリルオイルは、トリグリセリド、リン脂質を含むオメガ3によって構成されます。
またクリルオイルは、酸化を防ぐ効果のあるアスタキサンチンが含まれることでも知られています。
さらにオキアミはサイズが小さく、個体寿命も短いため、体内に有害物質が蓄積されないことも特徴です。したがってクリルオイルには、精製の必要がなく、製造過程でエチルエステルが混入しないのが魅力です。
まとめ
クリルオイルは抗酸化物質を内包し、有害物質が少ないことが利点である。またクリルオイルに含まれるオメガ3は、トリグリセリド、リン脂質によって構成されることから、栄養の吸収効率も高いことで知られる。
緑イ貝オイル
ニュージーランド原産の緑イ貝から作られるオイルには、トリグリセリドや融和脂肪酸が含まれていることで知られます。
EPAやDHA、微量のETAを含むこのオメガ3脂肪酸は、希少価値が高く、他のオメガ3より炎症への有効性が高いことが示唆されています。
また緑イ貝のオイルは魚油に比べて、地球環境にも優しいことで注目が集まっています。
まとめ
緑イ貝オイルは、オメガ3の供給源の一つで、環境に配慮する上で最適の選択肢だとされる。
アザラシ油
アザラシの脂肪から作られる哺乳類由来のオメガ3サプリメントは、トリグリセリドにより構成されます。
EPAやDHA、ドコサペンタエン酸(DPA)と呼ばれる優良なオメガ3脂肪酸を豊富に含むことで知られています。また哺乳類由来のオメガ3オイルには、オメガ6が少ないことが特徴です。
まとめ
アザラシ油はトリグリセリドによって構成される、EPAやDHA、DPAの優秀な供給源である。
ALAオイル
ALAとはα-リノレン酸の略称で、亜麻や麻の種子、チアシードなどに多く見られる成分です。ここから抽出される植物性のオメガ3には、いくつか特徴があります。
まずALAの人体への吸収から、EPA、DHAへの変換効率は非常に低いことで知られます。またこうした植物由来のサプリメントには、オメガ3よりオメガ6の占める比率が高いとされます。
まとめ
ALAオイルは植物由来のサプリで、オメガ3、オメガ6の両方を含んでいるが、EPAやDHAなど、活性作用のあるオメガ3脂肪酸については含まれていない。
微細藻由来のオイル
海藻類、特に微細藻類はEPAとDHAの供給源として知られてます。
そもそも魚類のEPAやDHAとは、藻類に由来するとされ、小魚は藻類を餌とすることで、EPAやDHAを内包するとされます。
ある研究によると、藻類由来のオイルには、魚油より多くのオメガ3が含まれ、DHAの面で特に秀でているとされます。このことから、藻類を用いたオイルは、菜食主義者やビーガンを中心に支持を拡大しています。
また藻類由来のオイルはヨウ素など、身体にとって重要なミネラルを含んでいる可能性があることについても指摘されています。
何より藻類由来のオイルの利点として挙げられるのが、環境への負荷が少ないことです。また重金属を始めとする汚染物質が存在しないため、人々が持続的かつ安全に使用できる点でもメリットが大きいとされます。
まとめ
微細藻類とは、トリグリセリドにより構成されるEPA、DHAの供給源である。この植物由来のオイルは、環境負荷が小さく、菜食主義者やビーガンにとっても有望なオメガ3摂取源として注目されている。
オメガ3カプセル
オメガ3オイルは、一般的にカプセルやソフトジェル状で販売され、クセもなく飲みやすいことから、多くの人々に愛用されています。
オメガ3に使用されるカプセルは、ゼラチン質を元に作られていて、また胃腸でとけるよう表面にコーティングが施されています。
またこうしたコーティングによって、魚油特有の臭いを軽減することができるのです。
こうした理由から、購入したオメガ3カプセルの品質を確認する際は、匂いを嗅いで確かめてみることをおすすめします。
まとめ
オメガ3カプセルは、オメガ3を摂るのに最も身近な手段です。またカプセルは防臭目的も兼ねているため、購入された場合は、臭いを確認してみることをおすすめします。
購入について気を付けるべきこと
オメガ3サプリメントの購入する際は、ラベル表記の確認を怠らないようにしてください。
ラベルに表記されていることで、確認すべきなのは以下の点です。
・内包成分――オメガ3サプリメントには、EPAやDHAが含まれていないことが多々あります。EPA、DHAはオメガ3の中で最も重要な成分とされるため、こうした成分の有無を必ず確認するようにしてください。
・内容量――1カプセルあたり1,000mgの魚油を含むと喧伝されていても、EPAやDHAの量で言えば僅か320mgなどということも少なくありません。こうした落とし穴にひっかからないように気を付けましょう。
・オメガ3の形態――前述のエチルエステルよりも、遊離脂肪酸やトリグリセリド、またはリン脂質など、吸収効率の高いサプリメントを選ぶようにしましょう。
・純度及び安全性――GOEDまたは特定のサードパーティーに認可された製品を選ぶようにしましょう。GOED認可のラベルが貼られている製品は、安全かつ内容量についても一定の基準を満たしたことを示しています。
・資源の持続性――MSCや環境防衛基金などが認可するサプリは、資源供給面での持続性が高いことを示しています。
まとめ
オメガ3サプリメント購入の際には、製品のラベルにEPAやDHAなど、重要な成分が表記されているかを確認してください。また、そうした栄養に加えて、酸敗を防止する抗酸化成分が含まれていれば理想的です。
最高のオメガ3サプリメントについて
どのオメガ3サプリメントにも、数々の健康改善効果が見込めます。
ただし殆どの天然魚油については、EPAやDHAが占める割合は30%に満たないことに注意が必要です。
こうした理由から、EPAやDHAが最大90%を占める高濃度オメガ3サプリメントが推奨されることもあります。ちなみに当記事では、遊離脂肪酸やトリグリセリド、リン脂質が豊富なオメガ3サプリメントを推奨しています。
まとめ
健康目的の方には、基本的にどのオメガ3サプリメントも、十分な効果を発揮してくれます。ただしより多くの効果を望む場合には、高濃度オメガ3サプリメントを購入するのがおすすめです。
結論
どのオメガ3サプリメントを選んでも、十分な健康改善効果が見込めます。
ただしサプリに表記されている成分、特にEPA、DHAの項目については、きちんと確認するようにしましょう。
EPA、DHAは基本的に動物脂肪由来のオメガ3サプリメントに内包され、植物由来のオメガ3サプリメントにはALAが含まれることで知られます。またベジタリアンやビーガンの方がEPAやDHAを摂取したい場合に推奨されるのが、藻類由来のオメガ3サプリメントです。
またオメガ3サプリメントの吸収効率を上げるには、食事を行う際、出来れば脂肪分の豊富な食事とともに摂取することが望ましいとされます。
最後に、オメガ3サプリメントは酸化しやすいため、まとめ買いなどは控えるようお願いします。
以上の点に気を払いつつ、あなたにとって最適なオメガ3サプリメントを探してみてください。