隔日断食は断続的な断食を行う1つの方法です。
この食事療法では、一日おきに断食しますが、断食していない日には何でも食べます。
この食事療法では、「緩い」断食を含み、断食の日にも約500カロリーであれば食べても良いです。
隔日断食は、減量や心臓病、2型糖尿病にかかる可能性を下げます。
これは隔日断食についての詳しい初心者向けガイドです。
隔日断食を行う方法
隔日断食(ADF)は断続的な断食アプローチです。
基本的な考え方は、ある日は断食し、翌日は食べたいものを食べるというものです。
この方法では、半分の時間に食べるものを制限するだけで済みます。
断食日には、ノンカロリーの飲み物を好きなだけ飲むことができます。
例は次のとおりです。
・水
・ノンシュガーコーヒー
・お茶
緩めのADFであれば、 断食をしている日の空腹時に役500カロリーであれば飲食できます。つまり、1日に必要なエネルギーの20~25%は食べることができるのです。
この新たな緩めのダイエットは、ADFの権威であるクリスタバラディ博士に「隔日ダイエット」と呼ばれています。
断食の日の飲食時間については、昼食でも夕食でも間食でも1日を通していつ消費されても効果は同じです。
この断食は、他の方法よりも続けやすいと感じる人が居るでしょう。
ただし、1年間の調査で、この方法は毎日カロリー制限を行うよりは、効果が優れていないことがわかりました。
隔日断食の研究のほとんどは、この新しい方法に法っています。これは、断食日に完全な断食をするよりもはるかに持続可能で、効果も同じです。
この記事では、「隔日断食」または「ADF」という用語は、この空腹時に約500カロリーの摂取が可能な断食という意味で使用します
概要
断食日と通常の食事日による隔日断食サイクル。 最も人気な方法では、断食日にも約500カロリーの摂取が可能です。
隔日絶食と減量
ADFは減量に効果的かもしれませんが、このタイプのカロリー制限は、従来の毎日カロリー制限を行うよりも効果が薄いことが研究により示唆されています。
過体重と肥満の成人を対象とした研究によると、ADFを行うと、2〜12週間で体重の3〜8%が減少する可能性があります。
研究によると、この方法は従来の毎日のカロリー制限よりは、減量効果が優れていません。
また、ADFと毎日のカロリー制限が、肥満における有害な腹部脂肪と炎症マーカーを減らすのに同等の効果的であることが研究で示されています。
ADFは脂肪の減少に効果的ですが、最近の研究では、ADFが従来のカロリー制限よりも減量または筋肉量の維持の点で効果的でないことが示されています。
さらに、他のタイプのカロリー制限と同様に、同時に運動を行うことで、減量が加速する可能性があります。
たとえば、ADFを持久力運動と組み合わせると、ADFのみの場合と比べて2倍の減量、持久力運動のみの場合の6倍の減量が生じるそうです。
食事に関しては、ADFの場合、高脂肪食でも低脂肪食でも同じように効果があるようです。
概要
隔日断食は、減量に役立つ場合があります。 ただし、研究によると、従来の毎日のカロリー制限よりも効果が薄いことが示されています。
隔日断食と空腹
空腹時におけるADFの効果は、明らかになっていません。
空腹感が下がるという研究もあれば、空腹感は変わらないと述べている研究もあります。
ただし、研究によるとADFは空腹時の完全絶食よりもはるかに空腹感を我慢できるそうです。
ADFとカロリー制限を比較した1つの研究は、ADFが24週間後に脳由来神経栄養因子(BDNF)のレベルを増加させることを示しました。
BDNFは、エネルギーバランスと体重維持に役割を果たすタンパク質です。
研究者たちは、ADFがBDNFに長期的な変化を引き起こす可能性があり、これにより減量維持の可能性があると結論付けました。
しかし、研究者らは、この特定の研究ではBDNFレベルと体重変化の相関関係がないとし、これらの所見には注意が必要です。
人体研究では、空腹時ホルモンにおけるADFの効果は示されていません。
ただし、動物実験では、ADFにより他の断食と比較して、空腹時ホルモンの量が減少し、満腹ホルモンの量が増加したことが示されています。
考慮すべきもう1つの要因は、代償的空腹です。これは、従来の毎日のカロリー制限でよく見られます。
代償的空腹とは、カロリー制限に応じて増加する空腹のレベルを指し、必要以上に食べてしまうことです。
調査によると、ADFは代償的空腹を増加させないようです。
実際、ADFを試している多くの人々は、最初の2週間ほどで空腹感が減少すると主張しています。 しばらくすると、空腹時がほとんどなくなると感じる人もいます。
ただし、この影響は、個人によって異なる可能性が高いです。
概要
隔日断食の空腹への影響は明らかではありません。ただ、隔日断食に関する研究では、食事に順応するにつれて空腹感が減少することを示しています。
隔日断食と体の構成物
ADFは、ダイエット中と体重維持期間の両方で、体の構成物に影響を与えるそうです。
従来のカロリー制限ダイエットとADFを比較した研究では、体重と脂肪量の減少に等しく効果的であることを示しています。
ADFが他のタイプのカロリー制限よりも筋肉量を維持するためにより有益であるかもしれないという研究もあります。
ただし、最近の質の高い研究では、ADFが従来のカロリー制限よりも筋肉量の維持に効果がないという結果もあります。
概要
研究によると、ADFは減量中に筋肉量を維持するのに役立つかもしれませんが、他のカロリー制限の方法よりも効果的ではないという研究もあります。
隔日断食の健康上の利点
ADFには、減量の他にいくつかの健康上の利点があります。
2型糖尿病
2型糖尿病は、米国の糖尿病症例の90〜95%を占めます.
さらに、アメリカ人の3分の1以上が糖尿病前症を患っており、その状態は糖尿病と見なされるほどではありませんが血糖値が通常より高いです。
体重を減らしてカロリーを制限することは通常、2型糖尿病の多くの症状を改善または回復させる効果的な方法です。
継続的なカロリー制限と同様に、ADFは、過体重または肥満の人々の間で2型糖尿病の危険因子を穏やかに低下させるようです。
ADFはインスリン値の低下にも役立つ可能性があり、一部の研究では、毎日のカロリー制限よりも効果的である可能性があるとされています。
ただし、すべての研究においてADFが毎日のカロリー制限よりも優れていることを示しているわけではありません。
インスリン濃度が高い、または高インスリン血症は、肥満や心臓病や癌などの慢性疾患に関連しています。
インスリンレベルとインスリン抵抗性の低下は、特に減量と組み合わせると、2型糖尿病のリスクを大幅に低下させるようです。
概要
隔日断食は2型糖尿病のリスクを下げ、 糖尿病前症の人のインスリン値を下げることができるようです。
心の健康
心臓病は世界の主要な死因の1つで、約4人に1人がこれが原因で死亡しています。
多くの研究では、ADFが過体重または肥満の人の減量、心臓病のリスクを減らすのに役立つことを示しています。
研究では8〜52週の範囲で、過体重と肥満の人を対象としています。
健康上の利点は以下の通りです。
・腰囲の減少(2–2.8インチまたは5–7 cm)
・血圧の低下
・LDL(悪玉)コレステロールの低下(20〜25%)
・大きなLDL粒子の数を増やし、危険で小さく密度の高いLDL粒子の数を減らす
・血中トリグリセリドの減少(最大30%)
概要
1日おきの断食は、胴囲を減らし、血圧、LDL(悪玉)コレステロール、およびトリグリセリドを減少させる可能性があります。
隔日断食とオートファジー
断食の最も一般的な効果の1つは、オートファジーの刺激です。
オートファジーは、細胞の古い部分が分解されてリサイクルされるプロセスです。これは、癌、神経変性、心臓病、感染症などの疾患の予防に重要な役割を果たします。
動物実験では、長期および短期間の断食がオートファジーを増加させ、老化の遅延と腫瘍のリスクの低下に関連していることが明らかにされています。
さらに、断食はげっ歯類、ハエ、酵母、およびワームの寿命を延ばすことが示されています。
さらに、細胞研究は、絶食がオートファジーを刺激することを示し、その結果、健康の維持や長生きに効果があります。
人体研究では、ADFダイエットが酸化によるダメージを減らし、寿命に良い影響を与えることが確認されています。
調査結果は有益ですが、オートファジーと寿命に対するADFの影響はさらに研究する必要があります。
概要
動物と細胞の実験では、隔日絶食によりオートファジーが刺激され、 このプロセスは老化を遅らせ、癌や心臓病などの病気の予防に役立つことが分かっています。
隔日断食は飢餓モードを誘発するのか?
ほぼすべての減量方法は、代謝率をわずかに低下させます。
この効果は、しばしば飢餓モードと呼ばれますが、専門用語は適応型熱発生です。
カロリーを厳しく制限すると、燃焼するカロリー数が減り、体はエネルギーを節約し始めます。 それは減量にとってよくないことです。
ただし、ADFはこの代謝率の低下を引き起こさないようです。
ある8週間の研究では、標準的なカロリー制限とADFの効果を比較しました。
結果は、ADFがわずかな1%の減少しか引き起こさなかったのに対して、継続的なカロリー制限は、代謝率が6%も減少しました。
さらにその24週間後、カロリー制限グループの代謝率は、研究の開始時よりも4.5%低くなりました。 一方、ADFの参加者は1.8%の減少しかありませんでした。
概要
隔日断食は、継続的なカロリー制限と同じように代謝率を低下させないようです。
体重が正常範囲内の人にも効果的なのか?
ADFは減量に有効なだけでなく、肥満でない人にも健康上の利点をもたらします。
3週間の研究では、断食日にカロリーを摂取しない厳格なADFを実施した人の平均体重を分析しました。
研究者は、それが脂肪燃焼の増加、空腹時インスリンの減少、および脂肪量の4%の減少をもたらしたことを発見しました。
しかし、空腹レベルは研究全体を通して非常に高いままでした。
次に、空腹時に1回の少量の食事が可能なタイプのADFダイエットが、肥満でない人にとって効果的かどうかについても調べました。
別の対照研究では、過体重および平均体重の個人が含まれていました。
12週間のADF食事療法の後、脂肪量が減少し、心臓病のリスクが下がったそうです。
とはいえ、ADFは通常、体重を維持するために必要なカロリーを摂取していないため、最終的には体重が減ります。
体重や脂肪の量を減らすことを考えていない場合、または平均体重がそもそもない場合は、他の食事療法がおそらくより適しています。
概要
隔日断食は、脂肪の燃焼を増やし、平均体重の人の心臓病のリスクを減らします。
断食日の飲食
総カロリー摂取量が約500カロリーを超えてはならないことを除いて、空腹時に何を飲食するのかについて規則はありませんが、以下のような低カロリーまたは無カロリーの飲み物を飲むのが最善です。
・水
・コーヒー
・お茶
多くの人は1日の終わりに1度たくさんの量の食事を食べるのが最善であると考えていますが、一方で早めに食べるか、2〜3食に分けて食べることを好む人もいます。
カロリーの摂取量を減らすために低カロリーの野菜を好みがちですが、栄養価の高い高タンパク質食品をとることが大切です。 これらはたくさん食べなくても満腹感が得られるからです。
スープは、食材そのものよりも満腹感が高い傾向があるため、断食中に食べると良いでしょう。
断食に適した食事の例をいくつか紹介します。
・卵と野菜
・果実とヨーグルト
・魚のグリルまたは赤身の肉と野菜
・スープと果物
・赤身の肉のたっぷりのサラダ
500カロリーの簡単な食事や低カロリーの健康的なお菓子のレシピをオンラインで見つけることも可能です。
概要
断食日に何を食べ、飲むかについての規制はありませんが、 高タンパク質食品や野菜、低カロリーまたはカロリーゼロの飲み物にこだわると良いでしょう。
隔日断食は安全?
研究によると、隔日断食はほとんどの人にとって安全です。
これは、従来のカロリー制限ダイエットよりも、リバウンドのリスクが低いです。
ADFは過食症のリスクを高めると考える人もいますが、研究により、過食症の行動を減らし、抑うつ症状を軽減するのに役立つことがわかっています。
また、肥満の人の食事制限や体型を改善することもあります。 ただし、摂食障害のある人におけるADFの有効性と安全性に関するさらなる研究が必要です。
とはいえ、ADFを実施しない方が良い人もいます。
これらには、子供、妊娠中および授乳中の女性、体重が少ない人、およびギルバート症候群のような空腹により悪化する可能性がある特定の病状の人が含まれます。
一部の研究では、ADFが過食症の症状を軽減する可能性があるとされていますが、神経性食欲不振症や過食症などの摂食障害を持つ人々には有効ではないです。
病気がある方や現在何らかの薬を服用している場合は、ADFを実施する前に医療機関に必ず相談してください。
概要
隔日断食はほとんどの人にとって安全です。 隔日断食が適切かどうかについては、医療機関にご相談ください。
大事なこと
隔日の断食は、ほとんどの人にとって減量のために非常に効果的な方法です。 子供、摂食障害のある人、妊娠中、授乳中、またはギルバート症候群のようなまれな障害のある人にはお勧めしません。
場合によっては、従来のカロリー制限のある食事よりもメリットがあるかもしれません。 また、多くの健康指標が大幅に改善します。
何よりも良いのは、隔日で「ダイエット」するだけでよいので、驚くほど簡単に続けられることです。