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1本の電話で、ロックダウン中の人々の不安やうつ病を和らげる?

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・最近発表されたJAMAPsychiatryの研究によると、一般人が提供する電話プログラムは、孤独感、うつ病、不安感を軽減できることがわかりました。

・この電話の参加者は、4週間以内にメンタルヘルスを改善がみられました。

・電話の発信者は、最初の5日間、69人の参加者に毎日連絡しました。

 

この1年、新型コロナウイルス感染対策により様々な制限を強いられました。

その結果、多くの人が孤独感や不安感を覚えています。

最近発表されたJAMA Psychiatryの研究によると、一般人が提供する感情に寄り添った電話プログラムは、4週間で参加者のメンタルヘルスを改善しながら、うつ病や不安感を軽減できることがわかりました。

テキサス大学オースティン校人口健康学部准教授のマニンダー.K.カーロン博士は「私たちはテキサス中央部のMeals on Wheels(食事の宅配サービスを行う慈善団体)と提携しており、新型コロナウイルスが発生したとき、会員のメンタルヘルスへの懸念が高まっていることに気がついた」と言います。

カーロン博士のチームはすぐにプログラムを設計し、テストを行い、改善が見られることを確認したと言います。

 

外出できず、食糧不安に直面した人々

調査は202076日から924日まで、240人の成人を対象に行われました。参加者は27歳から101歳で、半数以上が65歳以上でした。

調査開始時と4週間後に、孤独感、うつ病、不安神経症の測定がされました。

この調査には、テキサス州中部のMeals on Wheelsの、外出できず食糧不安に直面した人々も含まれ、自宅等で電話を受信しました。

発信者は1723歳で、調査前に共感する会話テクニックのトレーニングを受けていました。

発信者1人あたり68人担当し、最初の5日間は毎日電話を、その後は、受信者側が頻度を減らすことはできましたが、週に2回以上という決まりで連絡しました。

 

「サンシャインコール」

「サンシャインコール」として知られるこのプログラムは、テキサス大学オースティン校で開発されたランダム化比較試験(RCT)でした。

参加者の約半数は一人暮らしであり、全員が1つ以上の持病がありました。

調査結果によると、電話を受けなかった人と比較して、電話の受信者は、孤独感を測定する7点満点中、平均1点以上の改善があり、16%の違いがありました。

調査開始時に少なくとも軽度の不安症状のあった参加者の数も、調査終了時には37%減少し、軽度のうつ病者の人数も25%減少しました。

カーロン博士は「発信者に、電話の相手に優先順位を付けるようにトレーニングしました。彼らの話を聞いて、彼らの興味について会話から引き出し、彼らの親戚のように寄り添うことで、話したいことを引き出させたのです」と言います。

 

電話は健康改善に有効

カーロン博士は、この調査結果に驚いたそうです。

「人々がつながることは、孤独に有意義な影響を与えることがわかりました。調査終了時の改善の度合いに満足しています。しかし、私たちが驚いたのは、うつ病と不安症状への影響でした。」

これらは2つの症状は主要な健康上の懸念であり、特に両方の精神状態がより広い意味で心の健康状態に影響を及ぼすと言います。

彼女はまた、このプログラムが心の健康を改善するため有効な方法であると言います。

ただし、この調査では、この結果が4週間以上続くかどうかまでは把握できていません。

今後はこの効果がどれくらい持続するかの研究が必要です。

 

つながることは不安や孤独を軽減するのに役立つ

ニューヨークのレノックスヒル病院の精神科医長であるデビッド・ロアン博士は「孤独と健康は非常に複雑な関係であり、さまざまな要因が関係している」と述べています。

「他人とのつながりが薄い人は、自分自身の世話をするモチベーションも低く、日常生活にルーティーンがありません。彼らがちゃんと食べたり寝たりしているか確認したり、彼らの世話をする人がいないのです。」

ロアン博士は、孤独は身体の健康に直接影響を与えると言います。

カーロン博士は、「サンシャインコール」のようなプログラムは、メンタルヘルスの専門家不足を解消できると考えています。

「この方法で、メンタルヘルスの専門家が不足していても、うつ病や不安症状の改善に幅広く取り組むことができます。医療制度は、このようなプログラムを含め、結果が出るものは何でも導入すべきです」と結論付けました。

 

手を差し伸べることはやりがい

「最近連絡を取り合っていない友人や親戚に、電話、Zoomで連絡を取る。人間は他人の話を聞くことが好きです。だから自分から連絡を取り、手を差し伸べることはやりがいを感じるでしょう。」とロアン博士。

さらに、最大の効果を出すためには、定期的にやり続けることが重要と言います。

「孤独な友人や親戚がいる場合は、定期的に電話をかけましょう。毎日でなくても、週末だけでもいいです。相手の都合のいいようにスケジュールを組んでください。」

ロアン博士によると、電話することをルーティン化することが大事だと言います。

「孤独な人は、社会の誰かとつながっていると感じることが非常に有効です。」

 

結論

最新の研究で、孤独を感じる人に定期的に「共感をあらわす電話」をかけることで、孤独感や不安感を大幅に軽減し、全体的な健康状態を改善できることがわかりました。

専門家は、最大の効果を出すためには定期的に継続して連絡する必要があると言います。

また、このプログラムは、メンタルヘルスの専門家が不足している現在、それを補うことができると言います。