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膣感染症について知っておくべきことすべて

 

症状/治療/原因/診断/イースト菌感染とBVチャート/予防/医師を訪れましょう/今後の見通し

膣感染症(膣炎)とは何なのか?

膣炎とは、膣の感染症や炎症を引き起こす様々な状態を指します。同様の包括的用語である外陰膣炎は、膣と外陰部(性器の外側部分)の両方の炎症を表します。

膣感染症にはさまざまな原因があり、どれも一般的なものです。実際、米国産科婦人科学会は、膣のある人の3分の1が人生のある時点で膣炎を発症すると述べています。

これらの感染症はいつでも起こり得るものですが、生殖年齢または10代後半から40代前半で最も一般的です。

性交やその他のタイプのセックス経験がなくても、膣感染症を発症する可能性があります。言い換えれば、膣炎は性感染症(STI)と同じではありませんが、特定の性行為が原因となる場合もあります。詳細については以下に続きます。

主な膣炎の種類と、その症状、原因、治療や緩和を受けるためのアドバイスについて更に学びましょう。

症状

膣感染症の症状は気付きやすいものばかりではありません。

次のような一般的な症状があれば、気付きやすいでしょう:

・膣の痒みと焼けるような感覚

・膣の痛みと不快感

・膣や外陰部周辺の皮膚の炎症、紅潮、または腫れ

・おりもの量の変化

・おりものの色の変化

・排尿時の痛みや焼けるような感覚

・浸透性膣性交中の痛み

・膣の出血または斑点

上記のうち1つまたはそれ以上の症状が起こり得るかもしれません。もしその症状が数日間で無くならない場合や悪化する場合は、医師を訪れ診察と治療を受けることが大切です。

尿路感染症(UTI)がある場合、これらの症状、特に排尿時の痛みや焼けるような感覚に気づくかもしれません。尿路感染症の気付き方についてはこちらです。

膣感染症の種類

膣感染症はどれも多くの同じ症状が起こるため、何が起こっているか気づくのが難しいです。

ですが、それぞれの感染症には次のような特有の症状も起こります:

細菌性膣炎(BV)BVでは、薄い灰白色、または緑がかった、または黄色のおりものが出ることがよくあります。このおりものは魚のような臭いがあり、性行為後に強くなる傾向があります。かゆみはあまり感じないかもしれません。

イースト菌感染症。これらは一般的に、膣や外陰部のかゆみ、痛み、および灼熱感を伴います。イースト菌感染症では、陰唇の腫れ、または膣の外側の皮膚のひだが起こることがあります。その際のおりものは通常、カッテージチーズのような白くてゴツゴツした質感のものになります。

トリコモナス症。この感染症は、基本的に膣の痒みと魚のような臭いの両方が起こります。緑がかった黄色の泡状のおりものに加え、膣や外陰部の腫れ、刺激、炎症が起こるかもしれません。トリコモナス症のその他の症状には、性交時の痛み、下腹部の痛み、排尿時の焼ける感覚と痛みなどがあります。

萎縮性膣炎。これは正確には感染症ではありませんが、膣感染症やUTIを発症する可能性を高めます。萎縮性膣炎では、膣の痒み、焼ける感覚、乾燥、そしておりものの変化など、他の感染症と似た症状が起こることもあります。

膣感染症はどのように治療されるのか?

膣感染症の治療は、その感染症の原因によって決まります。

医師または臨床医は次のものを処方をすることがあります:

・細菌感染を治療するための、メトロニダゾール(錠剤、クリーム状、またはゲル状)またはクリンダマイシン(クリーム状またはゲル状)

・イースト菌感染症治療のための抗真菌クリームまたは座薬。地元の薬局で処方箋なしでイースト菌感染症の薬を購入することもできますが、感染症が治まらない、または再発し続ける場合は、医師に相談してみましょう。

・トリコモナス症を治療するためのメトロニダゾールまたはチニダゾール錠剤

・萎縮性膣炎に伴う深刻な膣の乾燥と炎症の治療を助けるエストロゲンクリームまたは錠剤

医師は基本的に、強い刺激や香りのついた石鹸、香りのついたタンポンやナプキン、そして膣洗浄などの刺激物を避けるよう勧めます。

膣感染症の原因はなんでしょう?

基本的に、膣感染症は膣内の細菌とイースト菌のバランスが何かによって崩れた時に起こります。

膣感染症のタイプ別の一般的な原因は次の通りです:

細菌感染症。膣内のある特定の細菌が過剰繁殖することで細菌感染症は起こります。細菌感染症は性感染症とは見なされませんが、性器と手の接触、オーラルセックス、膣へ生殖器の挿入などの性的接触は細菌の過剰増殖につながり、BV を発症する可能性を高める可能性があります。

イースト菌感染症。イースト菌感染症は通常、カンジダ アルビカンスと呼ばれる真菌によって引き起こされます。 抗生物質、ホルモンの変化、免疫システムの低下、ストレスなどの要因すべてが、膣内の抗真菌性細菌の数を減らし、結果イースト菌の過剰増殖につながります。この過剰増殖が、イースト菌感染症の症状を引き起こします。

トリコモナス症。原虫寄生虫の一種である膣トリコモナスがこのトリコモナス症の原因です。ほとんどの人は、コンドームなしで性交、オーラルセックス、またはアナルセックスを行うことによってトリコモナス症にかかります。しかし、風呂水を介して感染する可能性を示す証明もあります。その他のまれだが考えられる感染方法には、湿った便座、プール、共有タオルまたは湿った衣服などが含まれます。

膣の萎縮。これは通常閉経後に発症しますが、授乳中やその他エストロゲン量が低下した際にも起こります。ホルモンレベルの低下は、膣の菲薄化や乾燥を引き起こし、膣の炎症につながる可能性があります。

膣洗浄。水と酢、重曹、ヨウ素、またはその他の殺菌成分を混ぜたもので膣を洗い流すことで、膣を清潔に保つことができるように思えるかもしれません。しかし、実際は膣自体で清潔に保つ働きがあります。膣洗浄は、むしろ膣内の健康的な細菌を減らし、感染症の発症率を上げてしまいます。

石鹸、ボディーソープ、香水。石鹸屋ボディーソープで膣を洗ったり、香水を吹きかけると、本来のpHを乱す可能性があります.。外陰部と膣をただの水ですすぐことは全く問題ありませんが、その他の製品や香料は膣内の健康な細菌を殺し、感染の発症率を上げてしまいます。

殺精子避妊薬。この避妊法は、ジェル、フィルム、または座薬の形で使用されます。膣に直接挿入すると、溶解して精子を殺し、望まない妊娠を防ぎます。殺精子剤は一部の人には効果的ですが、膣への刺激や炎症を引き起こし、膣感染症の可能性を高めます。

体にフィットする、または合成繊維の衣類。「呼吸」をできなくするような下着やボトムスは、湿気を閉じ込めて空気の流れを妨げることで膣の炎症を引き起こし、感染症の可能性を高めます。非常にタイトなボトムスを着用したり、運動や水泳の後の濡れたボトムスを着用したままにすると、同じような影響があります。

洗剤と柔軟剤。このようなランドリー製品を変えた後に症状を感じたことはありませんか?香りのついた洗剤や柔軟剤も膣のpHに影響し、イースト菌感染症につながる可能性があります。

医師がその膣感染症の原因を特定できないケースもあります。これは非特異性外陰膣炎と言います。膣感染症患者のうちどの年齢でも起こり得ますが、思春期前の若い層でより起こりやすい症状です。

膣感染症はどのように診断されるのか?

医師または臨床医により、膣感染症の診断を受けることができます。

また、オンラインや薬局で購入した膣pHの検査薬を使用し、イースト菌感染症や細菌性膣炎を特定することもできます。

定期的に膣感染症、特に同じ種類の感染症が起こる場合、医師または臨床医はその患者にいくつか質問し、感染症の診断と原因の絞り込みを行います。

次のような質問があるかもしれません:

・膣感染症を含む、病歴について

・石鹸を使って膣を洗っているかどうか

・性関係を持っている人の数について

・性交の際にコンドームを使用しているかどうか

・香りのついた生理用品を使用しているかどうか

・その他の病気の症状について

症状によっては、さらに次のことを行うかもしれません:

・刺激や炎症をかくにんするための内診の実施

・膣のおりものを採取し、分析する

・淋病やクラミジアなどの性感染症を検査するために、子宮頸部を綿棒で検査する

・その他の性感染症を検査するために、尿検査を行う

イースト菌感染症vs細菌性膣炎

イースト菌感染症と細菌性膣炎は同じ症状が起こるため、混同しやすいです。

これは適切な治療の実施を困難にすることもあります。イースト菌感染症は必ずしも医師による治療が必要ではなく、店頭(OTC)商品で治療することもできます。一方、細菌性膣炎は、大抵処方箋でしか手に入れることができない抗生物質での治療が必要になります。

これらの自宅でできる治療法は細菌性膣炎の症状を和らげるかもしれません。

次の表から、イースト菌感染症と細菌性膣炎の違を知ることができます。

細菌性膣炎 イースト菌感染症
臭い 魚のような臭いがある、特に性交後 通常特に臭いは無い
おりものの質感 薄く水っぽい、時々泡状 厚くまとまりがある
おりものの色 灰色っぽい、または緑っぽい 白色
外陰部の見た目 気づく変化はないかもしれない 炎症を起こしている、赤みを帯びている、色が薄いまたは濃い、多くの場合膣の外側に白いコーティングが見られる
痒みや焼けるような感覚 絶対起こるわけではないが、おりものが多い場合痒みを感じることもある よく起こる、特に排尿時
治療法 抗生物質の使用 一般的には店頭商品で治療できる

膣感染症の予防方法は?

全ての膣感染症が予防できるわけではありませんが、次のようなアドバイスはいくつかの膣感染症の発症の可能性を下げるかもししれません:

・香り付きのタンポン、ナプキン、ライナーなどの生理用品の使用を避けましょう。

・膣洗浄、膣の消臭剤、香りのするスプレーや香水の膣内外への使用を避けましょう。

・バブルバスや香り付きのボディーソープは膣のpHに影響する可能性があるため、普通の水で入浴しましょう

・大人のおもちゃは、使用後は取り扱い説明書に従って洗いましょう。 洗浄せずに大人のおもちゃを共有しないでください。

・綿の下着、または綿股の下着を着用することで、気流を改善して膣への刺激や炎症を防着ます。少なくとも11回、または運動後に下着を交換してください。

・綿股のタイツ、レギンス、パンスト、運動用ボトムスを履くようにしてください。

・過度の湿気を防ぐために、できるだけ早く水着や湿ったトレーニングウエアを脱ぐようにしましょう。

・無香料または敏感肌用に設計された洗剤に切り替え、香り付きの柔軟剤は避けましょう。

膣感染症は性感染症とは見なされていませんが、性行為の際のコンドームの使用は膣感染症の予防につながります。

コンドームは性感染症を予防するだけでなく、膣内の細菌のバランスを崩す恐れのある膣pHの変化を避けることを頭に入れておきましょう。

コンドームを選ぶ際に、以下のことに注意しましょう:

・性交時に風味のあるコンドームを使用しない。

・事前に潤滑されたコンドームや殺精子コンドームも膣を刺激する可能性がある。

・アナルセックス後の膣挿入時には必ず新しいコンドームを使用する。

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医師やその他の医療専門家にはいつ診てもらうべきか

膣感染症の中には、特に自宅でできる治療法や店頭で買える薬を使用した場合、医龍専門家による治療を受けなくても完治することもあります。

しかし、感染症は必ず自分自身で治せるわけではありません。次のような場合、医師または臨床医に相談しましょう:

・過去に膣感染症の病歴がない場合

・膣感染症の病歴があるが、新しいまたは今までと違った症状がある場合

・膣pH値が4.5以上である場合

・店頭で買える薬では症状が改善しない場合

・性感染症にかかった可能性がある場合

・黄色または血の混じったおりもの、または悪臭のあるおりものがある場合

・嘔吐、発熱、腰や腹部の痛みなど、他の症状がある場合

・排尿が難しい、または排尿量がいつもより多い場合

もし過去にイースト菌感染症にかかったことがあり、その症状に気づいた場合、医師の診察はは必ずしも必要ありません。店頭で買った薬を用いて、自宅で治療することもできます。

とはいえ、もしその症状が頻繁に起こる場合、医師や臨床医と相談すると良いでしょう。彼らはより効果的な薬を処方してくれ、その症状を和らげてくれるかもしれません。また、その感染症の種類が間違っている可能性がある場合にも、彼らに一度相談してみましょう。

妊娠中や妊娠の疑いがある場合、いかなる膣感染症の種類であっても医師や臨床医の診察を受けるべきです。治療されていない膣感染症は悪化する可能性があり、妊娠中や出産時における合併症を引き起こすこともあります。

感染症にかかった場合の見通しは?

自宅療法、店頭商品の薬や時間薬で完治する膣感染症もある一方で、自力では治療できない膣感染症もあります。その感染症によっては、抗生物質や抗真菌薬の処方を必要とするものもあります。

医療専門家は、次の場合効果的な治療法や今後の感染症を防ぐ方法について更にアドバイスしてくれます:

・新しい、または気になる症状がある場合

・なかなか治らない症状がある場合

・何度も繰り返し起きる感染症がある場合

治療されていない膣感染症は多くの不快感を引き起こすかもしれませんが、大抵深刻なものではありません。適切な診察と治療を受ければ、基本的にはすぐに改善するでしょう。

クリスタル レイポールさんはヘルスライン・サイクセントラルのライターです。彼女の専門分野は、日本語への翻訳、料理、自然科学、セックス・ポジティブ運動、メンタルヘルス、そして多種にわたる本です。特に、彼女はメンタルヘルスの問題に関する偏見を減らすことに力を注いでいます。彼女は、息子と反抗的な愛猫と一緒にワシントンに住んでいます。